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平成31年度秋田県前期選抜学力検査問題(数学)

緑色の枠内は下記のサイトから引用したものです。
美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

大問1解説
(1)
$(-2^3)$は、2を2回かける(=二乗する)ということです。-2を2回かけることではないことに注意してください。
$3×-2×2=-12$

(2)
6÷2×3はいくつでしょうか?
正解は9です。
前から順番に計算すると9になりますが、2×3を先に計算してしまうと1になります。
割る数は2だけなのに、2×3=6を割る数にしているので答えを間違えてしまうのです。
このような問題をよく間違えるという人は次のように計算することをお勧めします。
わり算は割る数を逆数にしてかけ算になおして計算することができます。
わり算とかけ算が混じった計算の時は、割り算をかけ算になおしてから計算すると間違いを防ぐことができます。
さきほどの問題の場合は、
$6×\frac{ 1 }{ 2 }×3=\frac{ 6×3 }{ 2 }=9$
とすればいいです。
さて、$\sqrt{ 6 }÷\sqrt{ 2 }×\sqrt{ 8 }$
$=\frac{ \sqrt{ 6 }×\sqrt{ 8 } }{ \sqrt{ 2 } }$
$\sqrt{ 8 }と\sqrt{ 2 }を\sqrt{ 2 } で約分すると\sqrt{ 4 }=2$だから、
$=2\sqrt{ 6 }$

(3)
B市の最低気温は、A市の最低気温より4℃低いので$3-4=-1℃$です。

(4)
yがxに反比例するとき、定数a(x,yとは違い変化しない一定の数)を使って、$y=\frac{ a }{ x }$と表すことができます。
この式の両辺にxをかけると、$xy=x×\frac{ a }{ x }=a$です。
つまり、xとyの積はいつも同じ値になります。
問題ではx=4のときy=1だからxy=4です。
xとyの積はいつも4なので、xが2のときはyは4÷2=2です。

(5)
$2x+3x=-1-①$
$x+y=1-②$
まず、加減法で解いてみます。
加減法で解くときは、両辺にある数をかけたりして、xかyのどちらかを消去することを考えますが、そのときにかける数はなるべく小さい数をかけて、計算が簡単にできるようにします。
実際にやってみます。
①-②×2をすると、計算が簡単そうです。
  $2x+3x=-1$
―)$2x+2y=2$
 ——————-
     $y=-3$
②に代入して、
x-3=1
x=4

次に代入法で解いてみます。
②から、
$y=1-x-③$
①に代入して、
$2x+3(1-x)=-1$
2x+3-3x=-1
-x=-4
x=4
③に代入して、
$y=1-4=-3$

(6)
解の公式を使います。
$x=\frac{ -3±\sqrt{ 3^2-4×2×(-2) } }{ 2×2 }$
$=\frac{ -3±5 }{ 4 }$
$=\frac{ 2 }{ 4 },\frac{ -8 }{ 4 }$
$=\frac{ 1 }{ 2 },-2$

解の公式が暗記できない人は、「文字式の2乗=数」に式を整理して次のように解きましょう。
まず、x^2の係数を1にするために両辺を2で割ります。
$x^2+\frac{ 3 }{ 2 }x-1=0$
$(x+\frac{ 3 }{ 4 })^2-\frac{ 9 }{ 16 }-1=0$
$ (x+\frac{ 3 }{ 4 })^2=\frac{ 9 }{ 16 }+\frac{ 16 }{ 16 } =\frac{ 25 }{ 16 }$
$x+\frac{ 3 }{ 4 }=±\frac{ 5 }{ 4 } $
$x= ±\frac{ 5 }{ 4 }- \frac{ 3 }{ 4 }$
$=\frac{ 2 }{ 4 },\frac{ -8 }{ 4 }$
$=\frac{ 1 }{ 2 },-2$

実は、この式因数分解で解くこともできます。
両辺を2で割り、
$x^2+\frac{ 3 }{ 2 }x-1=0$
$(x-\frac{ 1 }{ 2 })(x+2)=0$
$=\frac{ 1 }{ 2 },-2$
$(x+\frac{ 3 }{ 4 })^2-\frac{ 9 }{ 16 }-1=0 $

(7)
$(x+2y)^2-4x-8y=(x+2y)^2-4(x+2y)$
ここで$x+2y=A$と置けば、
$A^2-4A=A(A-4)$
Aに$x+2y$を代入して、
$(x+2y)(x+2y-4)$

大問2解説
(1)
$y=x^2$は、①原点を通る、②y軸について対称、③式の値を満たすxとyの組み合わせ、つまり座標はグラフ上にある、④下に凸なグラフ、です。
このことから、アは〇、イは×、ウは×、エは〇。

(2)
最頻値は度数(問題では人数)が一番大きい階級(問題では回数)の値です。31回が3人いて一番人数が多いので、答えは31回です。

(3)
1+2=3です。1つの①と組になる②は3個あるので、1つの①を使って和が3になるのは3通り。1は2個あるので、和が3になるのは全部で6通り。5個の玉から2個の玉を取り出すのは4+3+2+1=10通り。したがって、和が3になる確率は$\frac{ 6 }{ 10 }=\frac{ 3 }{ 5 }$

(4)
円錐は円柱に対して、底面積が4倍、高さが$\frac{ 1 }{ 2 }$倍、容積比が$\frac{ 1 }{ 3 }$だから、体積は$4×\frac{ 1 }{ 2 }×\frac{ 1 }{ 3 }=\frac{ 2 }{ 3 }$(倍)

(5)
AからBCに垂線を下ろしてBCとの交点をFにします。
⊿AFBは1:1:$\sqrt{ 2 }$の直角二等辺三角形になるので、AFは3です。
⊿AFCと△DECは相似で、AF=3,DE=2から相似比は3:2なので、AC:DC=3:2から、DC=$5×\frac{ 2 }{ 3 }=\frac{ 10 }{ 3 }$

(6)
折れ目の線は、線分ACの垂直二等分線です。


緑色の枠内は下記のサイトから引用したものです。
美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

大問3解説
(1)
⊿AGBと⊿EGDにおいて、
平行四辺形はそれぞれの対辺が平行だからBC//DE。
また点A,B,Cは同一直線状にあるからAB//DE。
平行線の錯角は等しいから、∠A=∠GED-①
∠AGB=∠EGD-②
対応する2つの角がそれぞれ等しいので、
⊿AGB∽⊿EGD

(2)
BD//CE,AC//DFから ⊿BDF∽⊿GDE∽⊿HEF
また、題意から相似比は⊿BDF:⊿GDE:⊿HEF=5:3:2
であるから、面積比は、
⊿BDF:⊿GDE:⊿HEF=25:9:4
したがって、
四角形BGEHと⊿BDFの面積比は、(25-9-4):25=12:25であり、 四角形BGEHの面積は⊿BDFの面積の $\frac{ 12 }{ 25 }$

大問4解説
(1)5段目まで図を描いて答えを求めていもいいのですが、並べ方の法則性を考えてn番目の最後の数がnを使ってどのように表すことができるかを考えると図を描く面倒がなくなります。
また、n段目の最後の数がnを使ってどのように表せるかわかると、n段目の最初の数は(n-1)段目の最後の数に1を足した数ですから、こちらもnを使って表すことができます。
それではn段目の最後の数がnを使ってどのように表されるか考えてみます。
まず、n段目の板の枚数がnを使ってどう表されるか考えます。
1段2段と段数が増えるにしたがい、2ずつ板の枚数が増えることに着目します、
板の枚数は1段目が1枚、2段目が1+2枚、3段目が1+2+2枚、4段目が1+2+2+2・・・という風に増えていきます。
このことから、〇段目の〇から1をひいた数だけ2がたされていることがわかります。
つまり、〇段目の板の枚数は1+2×(〇-1)と表すことができます。
〇をnに変えて、n段目の板の枚数は1+2(n-1)=2n-1-①と表すことができます。
ここで、2段目の最後の数の4は1段目と2段目の板の枚数と同じ、3段目の最後の数9は1段目と2段目と3段目の板の枚数と同じ、ですから、n段目の最後の数は1段目からn段目の板の枚数と同じであることが予想できます。
つまり、n段目の最後の数は、
1+3+5+・・・・2n-1を求めればいいわけです。
ここで説明の便宜上、S= 1+3+5+・・・・2n-1とします。
Sの各項を後ろから並べると、S=(2n-1)+(2n-3)+(2n-5)+・・・・+1です。
この二つの式をたすと次のようになります。
2S=2n+2n+2n+2n・・・・・2n
で、2nはn個並んでいますから、右辺は2n×n=$2n^2$と表すことができます。
即ち、
2S= $2n^2$
$S=n^2$です。
よって、n番目の最後の数は$n^2$ -② と表すことができます。
また、n番目の最初の数は、n-1番目の最後の数に1をたした数ですから、$(n-1)^2+1$ -③ と表すことができます。

以上のことから、5段目の最初の数③からnに5を代入して17、同様に最後の数は②から25、板の枚数は①から9です。
17+18+19….+25
25+24+23….+17
+)——————-
42+42+42…..+42=42×9
2回たしていますから、$\frac{ 42×9 }{ 2 }=21×9=189$が答えです。

(2)(1)の②から49

(3)(1)の②と③から
$n^2-(n^2-2n+1+1)$
=2n-2

大問5解説
(1)
みちのり=速さ×時間であり、今速さが一定だから、みちのりyと時間xは比例の関係にある。$y=ax$から$$a=\frac{ y }{ x }$$であり、任意の$x,y$の組を代入すると$a=\frac{ 1 }{ 2 }$であるから、$y=\frac{ 1 }{ 2 }x$

(2)
Qがスタートするとき、Pは3秒進んでいてAから1.5mの位置にいる。どちらも速さは同じだからこの距離は何秒後であろうが変わらない。答え1.5m

(2)白玉の距離 $\frac{ 1 }{ 5 }(t+3)^2=\frac{ 1 }{ 5 }(t^2+6t+9)-①$
   黒玉の距離 $\frac{ 1 }{ 5 }t^2-②$
$①-②=\frac{ 1 }{ 5 }(6t+9)=1.2t+1.8$
エ 毎秒1.2mずつ広がる