以下は昨日の講義の一部です。
中学生になってから、一番先に教わるのが負の数です。
例えば、小学生は$2-5$は計算できませんが、中学生ならできるんです。
昨日は温度計で説明しました。
温度計には0℃を境にして、
上に+1+2+3・・+10・・・、
下に-1-2-3・・・-10・・・
と数字が並んでいますね。
この温度計を下を左に、上を右に90°回転させると、
・・-10 -9 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +10・・
と、今度は横に数字が並びます。
これを数直線とよびます。
数は右に行けば行くほど大きくなり、左に行けば行くほど小さくなります。
$5-2$を考えてみましょう。
$5-2$は3ですから、数直線で考えると、5から2だけ左に移動したところが答えになっていますね。
ですから、-は左に動けのサインで、$5-2$は「5から左に2だけ動け」のことなんです。
では、$5+2$はどうかというと、答えは7ですから、+は右に動けのサインで、
$5+2$は5から2だけ右に移動したところが答えになっています。
ですから、$5+2$は「5から右に2だけ動け」のことだということがわかります。
それじゃ、最初の問題に戻りましょう。
$2-5$でしたね。
もうわかりましたよね、「2から5だけ左に動け」ばいいんですから答えは-3ですよね。
もっといろいろ考えてみましょう。
$-2-5$はどうでしょう。
「ひぇー、マイナスとマイナス?そんなんわからんちゃ!」なんて言わずに、落ち着いて数直線で考えてみれば簡単です。
-は左に動くサインでしたよね。
ですから、-2から5だけ左に動いたところが答えです。
そうです、答えは-7です。
$-2+5$はどうでしょう?
+は右に動くサインなので、
-2から5だけ右に動いたところの3が答えになります。
さて、大切なことはここからです。
今、数直線を使って、
$2-5=-3$
$2+5=7$
$-2-5=-7$
$-2+5=3$
であることがわかりました。
これらの等式は次のように書き換えることができます。
$(+2)+(-5)=-3$
$(+2)+(+5)=+7$
$(-2)+(-5)=-7$
$(-2)+(+5)=+3$
これらは、全部〇+△=◇の形になっています。
数学では、式の中の数字の前に何もついてなければ、符号を+と考えます。
ですから、〇に入る数字で、+-の符号が付いていない数には+をつけて丸の中に閉じ込めます。
△には、書き換える前の〇の後に続く符号と数をそのままそっくり△の中に閉じ込めます。
一学期の試験には必ず出題される問題ですから、書き換え方をしっかり覚えてください。
文章で説明するだけでは難しいかもしれませんから、何回でも聞いてください。
書き換えた後の〇と△と◇の数をよく見比べてみると次の2つのことがわかります。
1つ目
〇と△の中の数の符号が同じときには、その数どうしを足して、数の前についている共通の符号をつけたものが答えになっていること。
例えば、
$(+2)+(+5)=+7$
も、
$(-2)+(-5)=-7$
も、
2と5を足して、それぞれに共通する符号をつけたものが答えになっています。
2つ目
〇と△の中の数の符号が違うときには、符号を取り除いた二つの数の内で大きい方の数から小さい数を引いて、大きい数の前についている符号をつけたものが答えになっていること。
例えば、
$(+2)+(-5)=-3$
も、
$(-2)+(+5)=3$
も、
5から2を引いて5の前についている符号をつけたものが答えになっています。
このように、数学では図などを使ってよく理解した後で、
そのことから見つけた法則を一つずつ自分のものにしていくことがとても大事です。
数学なんてただでさえムズイのに、テストで数直線なんて書いてたら、答案を見直す時間などあるはずがありません。
見直す時間がないと、誰でも必ずケアレスミスやってますから、50点のつもりでも、30点だった(;゚Д゚)!なんてことにもなってしまいます。