平成31年度一般選抜学力検査問題(秋田県)

はじめに。
昨今、理性的かつ合理的な手法で数学の問題が解ける生徒が富に減少しているようで残念に思っています。
 また、教える側の人間として、これまで何人かの生徒と接してきましたが、英語・国語はよくできるのに、数学がどうしてもうまくいかなくて第一志望校に進学できなかった生徒も幾人か目にしてきました。
 そこで今般、勉学に励む学生の皆さんの少しでもお役に立ちたいと考え、ここに私流の入試問題の解説を提供させていただきます。
 著作権法に抵触しない範囲で、実際に出題され、一般に広く公開されている入試問題を引用しながら、その下に私の解説をつけています。
熱意さえあれば、ほとんどの学生諸君が理解できるように、できるだけ理解が容易になるような解説に努めたつもりです。
学生の皆さんの数学に対する理解が深まることをお祈りしています。

引用元 美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

解説
(1)最初に答えがプラスになるのかマイナスになるのか考えます。
マイナスの項が奇数個ある乗法(かけ算)や除法(わり算)は答えがマイナスになりますから、答えはマイナスです。答えがマイナスとわかったら、計算の一番初めにマイナスをつけて、途中のマイナスはもう考えません。
分数と少数が混じっているときは、少数を分数になおしてから計算すると計算が簡単になります。
0.4を分数で表すと$\frac{ 4 }{ 10 }=\frac{ 2 }{ 5 }$ですから、
$-\frac{ 5 }{ 6 }× \frac{ 2 }{ 5 } =-\frac{ 1 }{ 3 }$

(2)最初にカッコをはずし、次に同類項をまとめて整理します。
カッコの前にマイナスの係数がついたときは、カッコの中のすべての項の符号が反対になります。
$2(3a-2b)-3(2a-b)$
$=6a-4b-6a+3b $
$=-b$

(3)6:8=x:20
比の値が等しいので、数式になおすと$\frac{ 6 }{ 8 }=\frac{ x }{ 20 }$です。
両辺に分母どうしをかけた160をかけて約分すると、$6×20=x×8$になります。
みなさんは学校の先生に「イコールのの内側どうしの積=外側どうしの積」と習ったと思いますが、それはこうした理由によるものです。
ただ、6:8は3:4であることに気づくと、4に対応する20が5倍になっていますから、3を5倍にして「答えは15」と瞬殺できます。

(4)「解きなさい」とは「xの値を求めなさい」ということです。
イコールがある方程式は、両辺(イコールの右と左)に同じ数を足しても、引いても、かけても、同じ数で割っても、イコールが成り立ちます。
ですから、分数式や少数式は計算を容易にするため、まず最初に両辺にいずれかの操作を行って整数式になおしましょう。
与式の場合は、両辺に2をかけて、
$3x+4=8x$としてから$x=〇$となるように式を導きます。
両辺から$3x$をひくと、
$4=5x$
両辺を5で割って、
$\frac{ 4 }{ 5 }=x$
もちろん、両辺から $8x$をひいて、
$-5x+4=0$
両辺から4をひいて、
-5x= -4
両辺を-5で割って、
$x= \frac{ 4 }{ 5 }$
でもかまいませんが、上記の方が計算過程が1つ少なく、計算間違いの元凶となるマイナスも扱わなくて済みます。

(5) $2x+3y=-1-① -4x-5y=-1-② $
$xとy$の項のどちらを消去したら計算が楽か考えます。
$x$の項を消去するには①の式を2倍するだけですが、$y$の項を消去するには①の項を5倍して②の項を3倍しなければなりませんね。
だから、①×2+②を計算します。
$4x+6y=-2$
$-4x-5y=-1$
+————-
$y=-3$
yの係数が小さい①に代入して、
$2x-9=-1$
$2x=8$
$x=4$

(6)方程式の両辺を3で割ると、
$\displaystyle x^2-\frac{ 5 }{ 3 }x+\frac{ 2 }{ 3 }=0$
因数分解を考えます。
かけて $\frac{ 2 }{ 3 }$、たして $-\frac{ 5 }{ 3 }$ になる数の組み合わせは-1と-$\frac{ 2 }{ 3 }$ですから、
$(x-1)(x-\frac{ 2 }{ 3 } )=0$
$x=1, \frac{ 2 }{ 3 }$
でも、ほとんどの人は解の公式で解くかな?
$\displaystyle x=\frac{ 5±\sqrt{ 5^2-4×3×2 }}{ 2×3 }=\frac{ 5±1 }{ 6 }=1,\frac{ 2 }{ 3 }$

(7)$\displaystyle \sqrt{ 24 }-\frac{ 18 }{ \sqrt{ 6 } }$
$\displaystyle =\sqrt{ 2^2×6 }-\frac{ 18×\sqrt{ 6 } }{ \sqrt{ 6 }× \sqrt{ 6 } }$
$\displaystyle =2\sqrt{ 6 } -3\sqrt{ 6 }$
$=-\sqrt{ 6 }$

(8)aが負でy切片が0であることから、グラフは原点を通る右肩下がりの直線です。
原点を通る直線グラフは比例のグラフであり、xが増加するとyが減少するのはグラフをイメージするとわかると思います。

(9)有効数字ではない値(この場合は0ですね)は表示しませんから、6.15×10^3です。6.150×10^3としてはいけません。

(10)
N=1のとき、1≦\sqrt{ n }<2を満たすnは1,2,3の3個です。
N=2のとき、2≦\sqrt{ n }<3を満たすnは4~8までの5個(最後の数8-最初の数4+1で求められます)です。
N=3のとき、3≦\sqrt{ n }<4を満たすnは9~15の7個です。
N=4のとき、4≦\sqrt{ n }<5を満たすnは16~24の9個です。
ここでNとnの個数の規則性について考えてみます。
nの個数は3個から始まり、Nが1増える度にnの個数は2個ずつ増えています。
N=2のときは3+2×1、N=3のときは3+2×2、N=4のときは3+2×3というように…
ここで気づくことがあります。
Nの値がどんなときでも、nの個数は3+2×〇の形で表されていることです。
そして、かけ算の記号×の後の数はNから1を引いた数になっています。
例えば、N=4のときは×3になっていて、Nの値4から1をひいた数になっていますよね。
ですからN=mのときのnの個数は、n=3+2×(m-1)と表すことができます。
問題ではnが31個だといっていますから、
31=3+2(m-1)=2m+1が成り立ち、m=15です。
m=Nですから、N=15です。
確かめてみます。
N=15のときN+1=16です。
N=15=\sqrt{ 225 }、N=16=\sqrt{ 356 }なので、nは225~355までの値をとり、個数は355-225+1=31ですからOKです。

入試本番でこういうややこしい問題に最初から手をつけてはいけません。
答案を書いた他の問題を見直してなお時間があるときだけチャレンジしましょう。



引用元 美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

解説
(11)BCを底辺とする正三角形の頂点をBCの上側にコンパスで探します。
具体的には、コンパスをBCの長さにとって、BとCを円の中心として円弧を描き交点を探します。
みつけた交点とBを結んだ直線とACとの交点にPと記します。
∠PBC=60°ですから、∠PBAは必然的に30°になります。

(12)∠BOCは∠BACの2倍ですから76°(同一弧上の中心角は円周角の2倍)。
⊿OBCは二等辺三角形ですから、$x=(180°-76°)÷2=52°$

(13)錯角が等しいので、∠ACD=137°。∠ACB=137°-51°=86°。
∠BACの外角131°は86°とx°を足したものだから、x=131°-86°=45°

(14)

⊿ABDは二等辺三角形だからAからBDへの垂線はBDを二等分します。
⊿CBDは直角二等辺三角で辺の比が$1:1:\sqrt{2 }$で$BD=6\sqrt{ 2 }$
だから、$BH=3\sqrt{ 2 }$
三平方の定理で、$AH=\sqrt{ 9^2-(3\sqrt{ 2 })^2 }=\sqrt{ 63 }=3\sqrt{ 7 }$
このことから、$\displaystyle A-BCDEの体積=6×6×3\sqrt{ 7 }×\frac{ 1 }{ 3 }=36\sqrt{ 7 }$

三角錐A-BPQと四角錐B-PCDQの体積をそれぞれSとTとします。
この二つの図形を、前者は⊿APQを、後者は四角形PCDQを、底面に見ると高さはどちらも同じですから、底面積の比と体積比の比が同じになります。
なぜなら錐の体積は底面積×高さ÷3ですから。
このことから底面積比が答えになります。
ここで 三角錐A-BPQと四角錐B-PCDQの底面である⊿APQと四角形PCDQを比較してみます。
∠PAQ共通、AP:AC=3:4、AQ:AD=3:4から、2組の辺の比が等しくその間の角が等しいので、⊿APQ∽⊿ACDです。
そして、相似比が⊿APQ:⊿ACD=3:4から、面積比は ⊿APQ:⊿ACD$=3^2:4^2=9:16$です。
このことから、⊿APQと四角形PCDQの比は9:16-9=7になります。
したがって三角錐A-BPQの体積は、四角錐B-PCDQの$\displaystyle 9÷7= \frac{ 9 }{ 7 }$になります。



引用元 美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

大問2
解説
(1)
①点Aは㋑上の点でx座標は-2ですから、㋑の式のxに-2を代入して計算するとy座標は6になり、A座標は(-2,6)です。
A座標は㋐上の点でもありますから、㋐の式に座標の値を代入して、
$\displaystyle 6=a×(-2)^2$
$\displaystyle a=\frac{ 6 }{ 4 }=\frac{ 3 }{ 2 }$

②B座標の$x$座標は3で、㋑上にありますから、㋑に$x=3$を代入して$y座標$は-4で$B(3,-4)$、また①から$A(-2,6)$
直線ABは傾きが$\displaystyle \frac{ 6-(-4) }{ -2-3 }=-2$で、$(3,-4)$を通りますから、$y=-2(x-3)-4=-2x+2$

(2)
アとイ $x≧31$枚のとき、A店でプリントした時の料金は$24x$
B店でプリントしたときは、1枚当たりの単価が30枚までと31枚以上とでは違うので、料金は分けて考える必要があります。
31枚以上の枚数は、総枚数xから30枚をひいた枚数なので、$(x-30)$枚と表すことができます。
これを図で表すと以下のようになります。

これらのことから、アに記述する内容は、
A店の料金は24x、B店の料金は30(円)×30(枚)+15(x-30)と表すことができて、x枚の時の料金が同じことから、
$24x=30×30+15(x-30)$
これを解くと、
$24x-15x=900-450=450$
$x=\frac{ 450 }{ 24 }=50(イも50です)



引用元 美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

(3)解説
①2番目の図形の面積は、4㎝×3㎝の長方形の面積2個分から、3㎝×1㎝の長方形1個分の面積をひいた残りです。
3番目の図形の面積は、4㎝×3㎝の長方形の面積3個分から、3㎝×1㎝の長方形2個分の面積をひいた残りです。
ここで気づくことがあります。
〇番目の図形の面積は、4㎝×3㎝の長方形の面積〇個分から、3㎝×1㎝の長方形(〇-1)個分の面積をひいた残りだということです。
ですから、4番目の図形の面積は、
$4×3×4-3×1×(4-1)=48-9=39(㎠)$

②①の解説をご覧いただけると特に説明はいらないと思います。
アは12、イはn-1、ウは$12n-3(n-1)から9n-3$です。


引用元 美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

大問3
(1)解説
①a,b,c 点MはAOがなければみつけることができません。また、点Mがわからないと円は描けません。
ですからウ→ア→イです。
②d AOは円Mの直径だから∠APO=∠AQO=90°(中心角180°に対する円周角は90°)-①
円Oの半径は等しいからOP=OQ-②
AO共通-③
①②③から、
ふたつの三角形は直角三角形で、斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいから、
⊿APO≡⊿AQO


引用元 美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

③解説
e イとエが正解です。
②で証明したように、⊿BQOと⊿BROは合同な三角形で、BOを対象軸として点Qと点Rは互いに対称な点になりますから、BO⊥QRです。
また、対角の和が180°の四角形は円に内接しますから、各頂点は1つの円周上にあります。
なぜ円に内接する四角形の対角の和が180°になるのかは以下の図を参照してください。

(2)解説

(1)②から円の外の任意の点から円に2本の接線をひくと、その点と接点、円の中心を結んでできる二つの三角形は合同になり、接点と円の中心を結んだ直線(つまり半径)と接線は垂直に交わります。
上の図のように∠AOQ=∠AOP、∠DOP=∠DOSで、点S、点O、点Qは1直線状に並ぶので、2∠AOP+2∠DOP=180°から、∠AOP+∠DOP=90°=∠AODです。
ここで、⊿DOAと⊿DPOに着目します。
二つの三角形は∠PDO共通の直角三角形ですから相似な三角形です。
このことから、DP:PO=3:6=1:2=DO:OAであり、
三平方の定理から、DO=$\sqrt{ 3^2+6^2 }=3\sqrt{ 5 } $になりますから、OAは$6\sqrt{ 5 }$です。


引用元 美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

解説
(1)
①$x$ 1組と2組のヒストグラムの10分以上20分未満の人数をたして18。
$y$ $相対度数=該当階級の度数÷度数合計=21÷60=0.35$

②中央値とは、簡単に言うと真ん中の人が属している階級のことです。真ん中の人が誰かは、全体の人数が奇数か偶数かで変わってきます。例えば、人数が5人のときは真ん中の人は3番目の人なので、この人が所属する階級が中央値になります。6人の場合は真ん中の人はいないので、3番目と4番目の人が属する階級が中央値になります。
問題では人数が60人なので、中央値は15番目と16番目の生徒が入っている階級です。
15番目と16番目の生徒が属している階級は、3年1組では 20分以上30分未満、3年2組では10分以上20分未満ですから、正解はアです。
理由は、例えば、「小さい方から15番目と16番目の生徒は、3年1組では20分以上30分未満の階級に、3年2組では10分以上20分未満の階級に入っているから」とします。

(2)
袋Aに入っている数字ひとつに、袋Bの演算子が2通りくっつき、その演算子それぞれに袋Cの数が2通りくっつくので、全部で1×2×2=4通りの式ができます。袋Aには数字が2つ入っているので4×2=8通りの式ができます。
これら8通りの式から、計算結果が負の数になる組み合わせを探すと、
$-1-(+1)=-2,-1×(+1)=-1,2×(-3)=-6$
の3通りありますから、負の数になる確率は$\frac{ 3 }{ 8 }$です。


引用元 美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

大問5のⅠ
解説
(1)
xは時間(秒)を表わしていますから、6秒後の点Pの位置を考えてみます。6秒後に点PはAから6㎝の位置にいるのでAP=6です。APを底辺と考えると⊿AFPの高さはFRですから、$y$即ち⊿AFPの面積は、6×10÷2=30(㎠)です。

(2)
$10≦x≦20$のとき、点Pは点Bと点Fの間にいます。毎秒1㎝で進む点Pはx秒後には、Aから$1(㎝/秒)×x(秒)=x㎝$の位置にいます。つまり、$AB+BP=x$です。また、$AB+BP+PF=20$です。これらのことから、$x+PF=20$となり、PFはxを用いて20-xと表すことができます。⊿AFPは、PFを底辺とすると高さがAB=10となり、⊿AFPの面積$y$は、$10(20-x)÷2=5(20-x)=100-5x$と表すことができ、今それが24だと言っていますから、$100-5x=24$です。
5x=76、即ち$\displaystyle x=\frac{ 76 }{ 5 }$です。

(3)

20≦x≦30のとき、上の図の①のように、点Pは点Fと点Gの間にあります。
BP+PMの和が最短になるのは、上の図の②のように、BM上に点Pがあるときです。(最短距離のキーワードは直線です!覚えておきましょう)
⊿BCM∽⊿PGM ですから、これを利用してxを知ることができる辺の長さに見当をつけると、それはPGの長さです。
⊿BCM∽⊿PGMより、BC:PG=CG:GMから、
10:PG= 15:5
$PG=\frac{ 5×10 }{ 15 }=\frac{ 10 }{ 3 }$
$x=AB+BF+FP$
$=10+10+(10-\frac{ 10 }{ 3 } )$
$=\frac{ 30+30+20 }{ 3 }$
$=\frac{ 80 }{ 3 } $


このとき、①の赤で囲んだ⊿AFPの面積は、∠AFP=90°ですから、AF×FP÷2で求めることができます。
AFは$1:1:\sqrt{ 2 }$の直角二等辺三角形三角形の斜辺ですから$10\sqrt{ 2 }$、またAFはさきほどの計算過程で求めました、$\frac{ 20 }{ 3 }$です。
これらのことから、⊿AFPの面積、即ち$y$は、
$\displaystyle 10\sqrt{ 2 }×\frac{ 20 }{ 30 }×\frac{ 1 }{ 2 }=\frac{ 100\sqrt{ 2 } }{ 3 }$


引用元 美の国秋田ネット 秋田県公立高等学校入学者選抜学力検査問題

大問5のⅡ解説
(1)

x=4のとき、AP=4、AQ=8となり、正八面体だから∠BAC=60°なので、⊿APQはPA:AQ:QP=1:2:\sqrt{ 3 }の直角三角形。
よって、y=PA×QA=4×4\sqrt{ 3 }÷2=8\sqrt{ 3 }

(2)10≦x≦15のとき、PはBF上、QはAD上の点である。x秒後にQは2x進むから、AC+CD+DQ=2x、AC+CD+DQ+QA=30だからQA=30-2xで、四角形ABFDは1辺が10㎝の正方形だから⊿APQの高さは10㎝。
したがって、⊿APQの面積、即ち$y$は、$10(30-2x)÷2=150-10x$と表すことができ、題意から$150-10x=24$が成り立つ。
$10x=150-24=126$
$∴x=\frac{ 63 }{ 5 }$

(3)


ABを対称の軸として、BCの中点である点Mの対象の位置はBEの中点である。
今この中点をNとすると、CQ+QMが最小となるのは点QがABとCNとの交点になる場合である。なぜならば、∠Bの二等分線はABだから、ABはMNを底辺とする二等辺三角形の頂点の軌跡であり、QN=QMとなる点Qが直線CN上に存在するからである。
ABを鏡に見立てて、1年の理科で習った光の反射の作図を思い出してほしい。
Cを観察者の目、Mを物体、Nを鏡に映る虚像と見做すと理解してもらえるのではないだろうか。
①の下の図から、⊿QCA∽QNB(四角形EBCAはひし形ゆえEB//ACだから錯角が等しくなる)からQN:QC=NB:CA=5:10=1:2
したがって$AQ=10×\frac{ 2 }{ 3 }=\frac{ 20 }{ 3 }$
このことから、Qが進んだ距離は$AC+CD+DA+AQ=30+\frac{ 20 }{ 3 } =\frac{ 110 }{ 3 }$ということがわかり、xはAからQまでの移動にかかった時間だから、
じかん=みちのり÷はやさから、
$x=\frac{ 110 }{ 3 }×\frac{ 1 }{ 2 }=\frac{ 55 }{ 3 }$

このときの⊿APQの面積をもとめると、
$\frac{ 55 }{ 3 }$秒後にPは、BFの間にあり、Aから $\frac{ 55 }{ 3 } $㎝の位置にあるから、
$10(=AB)+BF= \frac{ 55 }{ 3 }$
$BF=\frac{ 55 }{ 3 }-\frac{ 30 }{ 3 } =\frac{ 25 }{ 3 } $
⊿APQは底辺をAQとみれば、高さはBP(四角形ABFDは正方形だから∠ABF=90°)である。
したがって、⊿APQの面積、即ち$y$は、
$AQ×BP×\frac{ 1 }{ 2 }= \frac{ 20 }{ 3 } ×\frac{ 25 }{ 3 }×\frac{ 1 }{ 2 }=\frac{ 250 }{ 9 } $

QがNC上にある理由
上の図から、$N(-\frac{ 5 }{ 2 },\frac{ 5 }{ 2 }\sqrt{ 3 }), Q(\frac{ 5 }{ 2 },\frac{ 5 }{ 3 }\sqrt{5 }), C(10,0)$
傾き$QC=\frac{- \frac{ 5 }{ 3 }\sqrt{5} }{ 10-(\frac{ 5 }{ 2 } )}$
$=\frac{ -\frac{ 5\sqrt{ 3 } }{ 3 }}{ \frac{ 25 }{ 3 } }$
$=-\frac{ 5\sqrt{ 3 } }{ 25 }$
$=-\frac{ \sqrt{ 3 } }{ 5 }$
傾き$NC=\frac{ -\frac{ 5 }{ 2 }\sqrt{ 3 } }{ 10+\frac{ 5 }{ 2 } }$
$=-\frac{ \frac{ 5\sqrt{ 3 } }{ 2 } }{ \frac{ 25 }{ 2 } }$
$=-\frac{ 5\sqrt{ 3 } }{ 25 }$
$=-\frac{ \sqrt{ 3 } }{ 5 }$
したがって、QCとNCは傾きが等しく一直線上にあるから QはNC上にある。


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