少数第m位で終わる有限小数

整数ではない既約分数(それ以上約分できない分数)の分母の素因数が2と5だけであれば、分母と分子に2と5を何度か掛けることで、その既約分数は$\frac{ 整数 }{ 10^k }$の形に変形することができる。-①

整数nが2≦n≦1000を満たすとき、$\frac{ 1 }{ n }$が有限小数となるものは何個あるか?

$\frac{ 1 }{ 2 },\frac{ 1 }{ 3 },\frac{ 1 }{ 4 }・・・・\frac{ 1 }{ 1000 }$はすべて既約分数である。①から、 分母の素因数が2と5だけであれば、分母と分子に2と5を何度か掛けることで、その既約分数は$\frac{ 整数 }{ 10^k }$の形に変形することができる から、有限小数になるならば、$n=5^x・2^y(x=y=0,1,2,3・・・)$とおくことができる。

$5^x≦1000$を満たす最大のxは $5^4=625$ ,$5^5=3125$から4 。$ 2^y≦1000$を満たす最大のyは ,$2^9=512$,$2^10=1024$から9 。


$2≦5^x・2^y≦1000 $を満たす、(x,y)の組は、

x=0のとき、$2≦2^y≦1000$から(0,1),(0,2),(0,3),(0,4)(0,5),(0,6),(0,7),(0,8),(0,9)

x=1のとき、$2^y≦200$から(1,0),(1,1),(1,2),(1,3),(1,4)(1,5),(1,6)(1,7)

x=2のとき、$2^y$≦40から(2,0),(2,1),(2,2),(2,3),(2,4)(2,5)

x=3のとき、$2^y$≦8から(3,0),(3,1),(3,2),(3,3)

x=4のとき、$2^y$≦1.6から(4,0)


よって、2≦$5^x・2^y$≦1000 を満たす(x,y)の組は、9+8+6+4+1=28組ある。

この中で、

少数第1位で終わるものは、分数に直すと、$\frac{ 整数 }{ 10(5^1×2^1)}$と表せるから、$(x,y)=(1,1)$と、分母と分子に2か5をかけて $(x,y)=(1,1) $に変形できるものであるから、 それは$(x,y)= (0,1),(1,0),(1,1)$の組み合わせであり3組ある。即ち$\frac{ 1 }{ 2 },\frac{ 1 }{ 5 },\frac{ 1 }{ 10 }$である。

少数第2位で終わるものは、分数に直すと、$\frac{ 整数 }{ 100(5^2×2^2)}$と表せるから、$(x,y)=(2,2)$と、分母と分子に2か5をかけて $(x,y)=(2,2) $に変形できるものであるから、 それは$(x,y)= (0,2),(1,2),(2,0),(2,1),(2,2)$の組み合わせであり5組ある。即ち$\frac{ 1 }{ 4 },\frac{ 1 }{ 20 },\frac{ 1 }{ 25 },\frac{ 1 }{ 50 }\frac{ 1 }{ 100 }$である。

少数第3位で終わるものは、分数に直すと、$\frac{ 整数 }{ 1000(5^3×2^3)}$と表せるから、$(x,y)=(3,3)$と、分母と分子に2か5をかけて $(x,y)=(3,3) $に変形できるものであるから、それは (x,y)= (0,3),(1,3),(2,3),(3,0),(3,1),(3,2),(3,3)の組み合わせであり7組ある。即ち$\frac{ 1 }{ 8 },\frac{ 1 }{ 40 },\frac{ 1 }{ 200 },\frac{ 1 }{ 125 },\frac{ 1 }{ 250 },\frac{ 1 }{ 500 },\frac{ 1 }{ 1000 }$である。

少数第4位で終わるものは、分数に直すと、$\frac{ 整数 }{10000(5^4×2^4)}$と表せるから、$(x,y)=(4,4)$と、分母と分子に2か5をかけて $(x,y)=(4,4) $に変形できるものであるから、 それは$(x,y)= (0,4),(1,4),(2,4),(4,0)$の組み合わせであり4組ある。即ち$\frac{ 1 }{ 16 },\frac{ 1 }{ 80 },\frac{ 1 }{ 400 },\frac{ 1 }{ 625 }$である。